朝日岳(2418.0m) -栂海新道を降って日本海へ-

◆山行記録

報告概要  8月10日(土)から12日(月)まで、山中二泊三日で、朝日岳(2418.0m)から栂海新道(29.8km)を延々と歩き、日本海(親不知海岸)まで降りました。雲の多い天気と健脚のメンバー(H.F,A.T)に恵まれ、炎暑と重荷に苦しめられることなく、お花や景観を楽しみながら完歩することができました。
山行期間 2013年8月10日(土) ~ 12日(月)
天気概要 三日とも晴れていましたが、湿度60%で透明感のない”もやっ”とした天気でした。雷雨や夕立はなく安定していました。
行程概要 北又小屋 ~ 朝日平 ~ 朝日岳 ~ 栂海新道 ~ 親不知 【縦走】
携行装備 23.5kg 【テント泊縦走装備】 (同行者は18kgと17kg)
同行者 2名(H.F、A.T)
企画 自然観察と栂海新道の完歩

◆行動記録

8月9日(金)
岡崎IC(2032) =1:30= ひるがのSA(2212,2220) =1:05= 城端SA(2315)TS0
就寝(23:50)
8月10日(土) 曇り、無風、24℃@北又小屋; 曇り、微風、22℃@イブリ山
起床(3:40)
TS0(400) =0:50= 有磯海SA(450,515) =0:15= 朝日IC(530) =0:02= セブンイレブン(532,538) =0:07= 黒東タクシーP(545,600) =0:45= 北又小屋(645,710) -0:30- 一合目[840m](740) -0:25- 二合目[940m](805,815) -0:20- 三合目[1020m](835) -0:30- 四合目[1140m](905,920) -0:20- 五合目ブナ平(940,1008) -0:16- 六合目[1390m](1024) -0:22- 七合目[1500m](1046,1105) -0:25- 八合目[1630m](1130) -0:17- 九合目[1720m](1147,1200) -0:17- イブリ山(1217,1243) –1:12- 夕日ヶ丘(1355) -0:15- 雪渓(1410,1420) -0:55- 朝日平(1515)TS1
就寝(18:00)
8月11日(日) 快晴、弱風、14℃@朝日平; 霧、中風、14℃@朝日岳
起床(2:30)
TS1(415) -1:15- 朝日岳(530,545) -0:45- 吹上のコル(630,642) -0:28- 照葉の池(710,725) -0:50- アヤメ平(815,830) -1:30- 黒岩平水場(1000,1010) -0:38- 黒岩山(1048,1100) -0:26- 文子ノ池(1126,1140) -0:50- サワガニ山(1230,1245) -0:45- 北股の水場(1330,1407) -0:40- 犬ヶ岳(1455,1510) -0:15- 栂海山荘(1525)TS2
就寝(18:45)
8月12日(月) 快晴、微風、16℃@栂海山荘; 晴れ、微風、23℃@白鳥山
起床(2:30)
TS2(415) -0:45- P1384m手前(500,505) -0:30- 黄蓮山(535) -0:30- 黄連の水場(605,640) -0:16- 菊石山(656) -0:44- 下駒ヶ岳(740,755) -0:45- C1160m(840,856) -0:25- 白鳥山(921,958) -0:55- シキ割の水場(1058,1120) -0:12- 金時坂の頭(1132) -0:35- 坂田峠(1207,1225) -0:41- 尻高山(1306,1325) -0:35- 林道交差(1400) -0:12- 二本松峠(1412,1428) -0:14- 入道山(1442) -0:53- 送電鉄塔(1535) -0:10- 栂海新道登山口(1545,1618) -0:10- 親不知海岸(1627,1650) -0:10- 天険P(1700,1701) =0:29= 黒東タクシーP(1730,1740) =0:17= 温泉「らくちーの」(1757,1907) =0:10= 手打ちそば「くちいわ」(1917,2005) =0:05= 朝日IC(2010) =0:53= 小矢部JCT(2103) =1:42= 美濃JCT(2245) =2:10= 鞍ヶ池PA(2331,2347) =0:18= 岡崎IC(005)

◆行程図

栂海新道行程図

栂海新道行程図

背景地図データは,国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものです。

◆天気図

Yahoo!天気・災害 過去の天気より転載 @富山県東部(富山)
【8/10:晴れ、最高35.4/最低26.6℃、湿度61%、西北西6m/s、降水量0.0mm】
衛星画像_130810

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天気図_130810

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【8/11:晴れ、最高34.9/最低25.6℃、湿度61%、西6m/s、降水量0.0mm】
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天気図_130811

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【8/12:晴れ、最高33.7/最低25.7℃、湿度61%、北北東4m/s、降水量0.0mm】
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天気図_130812

天気図_130812

◆各種機関

※最新版として管理しやすいように「各種機関」ページに集約しました。

◆アプローチメモ

ETC料金
[休割]
●岡崎~朝日(329.8km):¥7,000 [¥3,500]
コンビニ
スーパー
●セブンイレブン富山朝日町月山店:0765-83-0767
●ローソン L 朝日町平柳店:0765-83-1178
駐車場 黒東タクシー駐車場:無料、0765-82-1166
 ・黒東タクシー⇒北又小屋:¥9,300 (朝日町¥1,000/人補助あり)
 ・天険P⇒黒東タクシー:¥6,300 (迎車¥110)
※予め下山予定日時で予約しておき、当日は白鳥山、尾高山からau携帯にて連絡する。(繋がり難い) 天険Pには公衆電話あり。
登山届Box ●北又小屋 ※備付の登山届に記入するか山行計画書を提出する。
水場 ●北又小屋:給水施設
●五合目ブナ平:流水(片道3分)
●朝日小屋:給水施設
●黒岩平水場:流水(0分)
●北股の水場:流水(往復10分)
●黄連の水場:流水(往復5分) ※テント3張り可
●シキ割の水場:流水(0分)
※いずれの水場も水量は十分でした。
避難小屋 休憩所 ●栂海山荘:15人、屋外トイレあり、水なし、テント8張り可
●白鳥小屋:10人、屋外トイレあり、水なし、テント4張り可
温泉 環境ふれあい施設「らくちーの」:¥525、0765-82-0990
さざ波温泉「地中海」:¥500、0765-83-3353
蕎麦 手打ちそば「くちいわ」:0765-83-3455、17:30~21:00営業
そば処「草の子」:0765-83-9541、夜は予約にて営業
土産

◆日誌

【8月10日(土) 曇り、無風、24℃@北又小屋; 曇り、微風、22℃@イブリ山】

 毎度のことだが、前泊地の選択には悩まされる。今回は城端SAの第二駐車場に泊まった。到着時はトラックが1台だけと空いており、一番離れた場所に陣取ったので安心して眠りについた。しかし、次々に車が入ってきて、しかもエンジンかけっ放しが多く、騒音で安眠できなかった。また、第二駐車場からはコンビニのある第一駐車場に戻れないことが分かった。(一方通行のため)

睡眠不足の気だるさが残るが、気を引き締めて、明るくなり始めた北陸路を走る。有磯海SAで朝食にカレーライスを食べ、身体を目覚めさせる。

朝日ICで降り、8号線を右折する。平柳(信号交差点)で左折し、町中を道なりに進めば、右手に黒東タクシーが見つかる。客用の駐車スペースに止めて身支度する。他にも他県ナンバーの車が5台止まっていた。

6時、予約時刻どおりの発車、北又小屋まで運んでもらう。料金は9300円だが、朝日町から一人1000円の補助が出るので、3人で支払いは6300円となる。ありがたいことだ。

 北又小屋で山行計画書を提出する。ご主人に登山道、水場などの最新情報をお聴きする。アヤメ平への降りの残雪は少なく、上部の急斜面は登山道が露出しているとのことで安心する。

吊り橋を渡って、尾根に取り付く。登山道は良く整備されており、下草の繁茂もなく歩きやすい。急な登りもあるが、イブリ山(1791m)を十合目として一合毎にある標柱が励みとなる。

五合目ブナ平は休憩適地で、水場も近くにある。早くも朝日小屋から降りて来られた二人連れが休んでおられた。この先は、続々と下山者とすれ違うと思っていたが、10人程度と意外に少なかった。

九合目辺りから傾斜が緩まり、登山道脇にある無線アンテナ塔を過ぎると頂上は近い。前回は下山者で賑わっていたイブリ山も今日は我々3人だけの貸切である。睡眠不足の身体には辛い登りであったが、「ここまで来れば・・・」と一息つく。

下でも”もやっ”とした天気であったが、高度を上げてとうとう雲の中に入った。小さな岩場を2箇所通過すると、次第に”お花”が観られるようになり、気持ちが和らぐ。展望が閉ざされているだけに、足元の”お花”の観察に専念できる。夕日ヶ丘を巡る間も、誰一人会うことなく、静かにお花畑散策を楽しめた。雪渓が融けたばかりの場所にはチングルマが瑞々しく咲き誇っていた。ハクサンコザクラ、コバイケイソウ、ニッコウキスゲが美しさを競っていた。

計画時間(前回の実績コースタイム)から1時間遅れて朝日平に到着した。テント場は空いていたので、2張りを隣接して設営できた。後はお決まりの夕食宴会、外にレジャーシートを敷いてオープンな宴会場に、夕陽の温もりと心地よい風の中で冷えたビールで乾杯する。摘みは手っ取り早く定番の”明宝ハム”、メインは”鰻丼”と豪華である。明日も頑張るぞ!

【8月11日(日) 快晴、弱風、14℃@朝日平; 霧、中風、14℃@朝日岳】

 2時30分起床、星空である。今日も暑くなりそうだ。ヘッドランプを灯しながら朝日岳(2418.0m)に向かう。黎明のなか、白馬岳(2932.2m)がシルエットでくっきりと見える。雲の上にピラミダルな山容で浮かぶのは剱岳(2997.1m)だ。

朝日岳の山頂は雲の中で、期待していた展望は望むべくもない。一時射し込んだ朝陽に未練を感じながらも、この先の道中が長いので、記念写真だけ撮って先を急ぐ。

吹き上げのコルから、栂海新道に踏み入る。結界のような岩に赤ペンキで「栂海新道入口、日本海へ」と書かれている。ここを越える覚悟を問うとともに、日本海へと甘く誘っているようだ。

 入ってしばらくは木立のトンネルを潜るような道になり先行きに不安を覚えるが、直ぐに開放的な緑の別天地に出る。整備された木道を辿れば、照葉の池に巡り合う。二つの池を見下ろすように緩やかに木道を登っていく。ニッコウキスゲの濃い黄色がアクセントとなり緑の園に彩を添えている。しかし、今日は白馬岳が雲に隠れて拝めない。照葉の池越しに高く聳える白馬岳が、日本海を目指す登山者を優しく見送ってくれているのだが・・・。

この辺りの景観は変化に富んでいる。緑の園はやがて長栂山(2267m)を右に見て砂礫帯となり、雪渓の降りとなり、再びヒオウギアヤメの咲く緑の園「アヤメ平」へと移っていく。

雪融けたばかりの湿地にはまだミズバショウが咲いている。前回、黒岩平に建っていた小屋(木道整備の飯場)は既になく、跡地は元の自然に戻るよう保護されている。「黒岩平はキャンプ禁止」の看板が見張っている。

黒岩山(1623.6m)に登り返す。ここまではお花もたっぷりの雲上楽園のようであったが、ここから先は花もなく、炎暑に耐える稜線縦走が始まるのだ。文子の池は貴重なオアシス、鋭気を養って縦走を続ける。

サワガニ山(1612.3m)から行く手を眺める。犬ヶ岳(1592.5m)まで、まだ遠く感じる。コース上ではないが、左に存在感のある山がある、初雪山だ、標高は1610mしかないのに人目を引く。

痩せ尾根の岩道もあるので注意して歩く。降りきったら北股の水場だ。水場までは往復10分ほど降る。冷たい岩清水に乾いたのどを潤す。一息ついたら、ここで明日の黄連の水場までの水を確保し犬ヶ岳を登ることになる。疲れた身体には3.5kgの水が重く感じる。牛歩戦術で犬ヶ岳を目指す。へろへろになりながら頂上にたどり着く。暫く座り込んで、涼風を味わう。今日の宿「栂海山荘」はすぐそこに見えている。

今夜の泊まりは我々含めて10人弱で、上下2段の部屋を使ってゆったりと泊まれそうだったが、早立ちなので迷惑にならぬようテントを張ることにした。テント場の先客は単独行の一張りだけ、ヘリポート跡地の広場で8張り程度は張れる平坦地がある。朝日小屋で購入し歩荷してきたビール4本を北股の水場で汲んだ冷たい水で冷やす。昨日同様、屋外宴会を楽しむ。今日もとりあえずのお摘みは”明宝ハム”、メインはパスタだ。飲んで食べて、明日の元気を養う。

【8月12日(月) 快晴、微風、16℃@栂海山荘; 晴れ、微風、23℃@白鳥山】

 2時半起床、これぞ満点の星空!東から昇ってくるオリオン座だけ判別できたが、天の川が横たわり、北斗七星もカシオペア座もよく判らない。星空を彷徨っていると、流れ星が一つ、また一つ・・・、流星群の天体ショーのおまけ付だ。

先に出発した単独行が戻ってきた。降り口が判らず、犬ヶ岳まで行って戻ってきたという。小屋を回りこんだ所が降り口なのだが、昨日の明るいうちに確認していなかったのだろう。

小屋の中は暗くまだ寝ているようだ。静かに準備運動をしてから、今日もヘッドランプを灯しながら、階段状の急坂を降って行く。傾斜が緩んだ辺りで夜明けを迎える。水平線辺りの空の色が時間とともに変化していく。雲があれば鮮やかに染まるのに・・・と贅沢なことを思ってしまう。やがて、お日の出を迎える。合掌!道中の安全を祈る。

黄連山(1359m)を越えると黄連の水場まで大きく降る。ブナの林となって傾斜が緩むと漸く黄連の水場に着く。次のシキ割の水場まで必要な量を考えて行動水を補充する。水場へはロープを使って降りるのでポリタンはサブザックなどに入れて担ぐのが安全である。また、ここには平坦地があり、緊急時などはテントを張ることができそうだ。

 涼しげなブナ林が途切れると、菊石山(1209.8m)への登りが始まる。背後からは強い陽射しが照りつけるが、木立の中の登山道のため直射に晒され続けることはない。しかし、林内ゆえに風は通らないので、”日傘”とともに”団扇”の携行をお奨めする。

下駒ヶ岳(1241m)は西側に崩落が目立つ急斜面の山である。ストックは仕舞って、両手が使えるようにして登ろう。山頂の直前はロープに頼りながら攀じ登る感じになる。

下駒ヶ岳から降るほどに白鳥山(1286.9m)が大きく立ちはだかるように見えてくる。140mほど降って鞍部となり、200mの登り返しとなる。今日のコース前半の勝負どころの登りだ。

白鳥小屋が建つ山頂広場に到着する。誰もいない。陽射しを避けて小屋内で休憩し、後半戦に備えて腹ごしらえする。計画より随分遅れていたので、タクシーの待合わせ時間を変更する。小屋の入口付近でau携帯がつながった。

ここからシキ割の水場までも大きく降る。ひたすら降る。谷底まで降ったような地形の所がシキ割の水場だ。冷たい水が染み出していた。

金時坂の頭(935m)まで少し登り返して、坂田峠まで一気に高度を下げていく。急な降りが続く。まだかまだかと思いつつ、漸くアスファルト舗装の道路に降り立つ。道路を横切った少し先が休憩適地である。木陰で心地よい風が通り抜ける。なお、坂田峠には駐車場があり、タクシーもここまで入ってくれる。トラブル発生時には心強い。

さあ、ゴール目指して最後の頑張りだ。尻高山(677.4m)の手前で日本海(親不知海岸)が見える。気は急くが、登山道は小さなアップダウンを繰り返し、大きく右回りして(遠回りするかのように)続いている。尻高山から再度タクシー会社に連絡し、更に迎車時間を遅らせて貰う。

炎天下の林道交差を足早に横切り、林内の二本松峠で一休み、入道山(448m)を経て送電鉄塔が見えれば、いよいよホームストレッチだ。メンバーのゴールの瞬間を撮るため、独り先に行く。

工事現場の横を通って国道8号線天険駐車場に降り立つ。カメラを構えて二人のゴールインを待つ。ゴールの瞬間、疲れの中にも達成した喜びの表情が満ち溢れていた。

国道を渡って、駐車場に荷物をデポ、GPSと着替えを持って海岸まで降る。ほっとした後なので、階段の80mの降りは結構辛いものがある。海岸で時間の許す限り日本海に浸かり波と戯れる。

 ◆写真(自然観察)

◆感想

登山者が少なく静かな山旅を楽しめる健脚向きのコースです。しかも、栂海新道に入ると携帯は通じず、エスケープルートもないので、怪我しないよう慎重な行動が必要です。

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